『HIV/エイズ研究におけるスティグマ概念・理論の変遷と現在的課題』を読んで

HIV/エイズ研究におけるスティグマ概念・理論の変遷と現在的課題 大島 岳 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sstj/13/0/13_96/_article/-char/ja/ 読むまえの関心ごと COVID-19感染者、あるいは感染者の多いエリアの人々、さらには渡来者旅行者帰省者、…

甲鉄城のカバネリ

カバネリを見て思ったこと(感想です)。最終回において美馬がカバネリであったことが、金剛郭の破壊という行動に至った理由として示されていた。つまり、将軍によって戦場に置き去りにされ、おそらくそこでの戦いを通じてカバネリになった美馬は、屍のなか…

響け!ユーフォニアム 再オーディションについてのはなし

ツイッターで書いたことのメモです。あとでまとまった文章にします。 中世古先輩があのオーディションで「納得」できたのは、一つには麗奈と自分の実力が明らかになったことがあるけど、あれが「みんな」を前にしての演奏だったということがあると思う。 久…

DARKER THAN BLACK 黒の契約者、流星の双子

気になってはいたものの見る機会がなかったが、Netflixで1期2期ともに公開されていたので36話を一気に視聴した。約3クール分、オリジナルでこれだけ見せるアニメもそうない。 1期では1エピソードが前後編に分けられている。エピソード間はある程度独立してい…

ベイビーステップ——分析、実践、批判

放送してからすでに二ヶ月が経ったが、ベイビーステップ25話について。 この回は、最終回ということもあってか、他の回に比べて(特に素晴らしかった回と比較しても)力の入れようがハンパない。丸尾の、「追い詰められたらあたらしいことを試して突破口を開…

佐分利敏晴 2006「アニメーションと自然の原理」

in 佐々木正人編『アート/表現する身体』東京大学出版会 のメモ 風のような眼に見えないものを、アニメーションはどのようにして視覚的に表現しており、あるいはそのようなものをどのようにして知覚することが可能なのか?

鈴木理策写真展『意識の流れ』

タイトルの「意識の流れ」は「見るという行為に身をゆだねると、とりとめのない記憶や様々な意識が浮かんできて、やがてひとつのうねりのような感情をもたらすことがある」という鈴木自身の経験に基づいてつけられました。鈴木のまなざしを追体験すること、…

メモ

WhiteAlbumを見直している。作中に出てくる下畑純訳『ブラウニング詩集』なる本が気になったので調べてみたが、どうも存在しないようで。岩波版のほうを後で読もう。 788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/09(土) 23:21:01 id:C9n56iPe ところで、正月…

マグリット展(国立新美術館)

六本木は国立新美術館で行われているマグリット展に行ってきました。 今回、今まであまりしたことはなかったんですけど、作品のリストに一つずつコメントを書き入れながら鑑賞しました。一つ一つ真面目に考えて書き入れていったので、その分かなりの時間を過…

細田守 OPED集

年代順、全6作……かな?演出、絵コンテなど

映像の身体感覚

メモ 映画を見る眼 作者: 小栗康平 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2005/06/25 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (10件) を見る 映画の体温 俳優には、ものとして映りながら、「存在」としても映る両義性がある。例えば、人物のロン…

アメリカンスナイパー

電気柵のような映画 この言葉は、劇中では戦争経験の比喩として使われた言葉であったが、この映画も、電気柵のような映画だったと言えよう。予告のあの緊張が二時間も続いた疲労から、悲劇的な結末のどこかで安心した自分を発見した。 主人公であるクリスは…

鑑賞力を鍛える見方

現代アートの本当の見方 「見ること」が武器になる (Next Creator Book) 作者: 山口晃,しりあがり寿,松本次郎,御幸朋寿,堀江秀史,竹久侑,村田真,土屋誠一,谷口幹也,宮津大輔,三ツ木紀英,山木朝彦,橋本誠,フィルムアート社 出版社/メーカー: フィルムアート社…

『絵画を見るということ』画集

絵画を見るということ―私の美術手帖から (NHKブックス) 作者: 山岸健 出版社/メーカー: 日本放送出版協会 発売日: 1997/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る とてもおもしろい本だとおもう。書評はまたの機会に譲るとして、この本では取り上げら…

SHIROBAKO:なぜ衣装が鎧になったか

ゴスロリさんも井口と同様に、初めてキャラクターデザインを任された時、プロデューサーや監督からダメ出しをうけ続けるという辛い過去があった。 「追い込まれても、勝負をひっくり返されても、へこたれない方だと思っていましたが。」 … 「そのとき理解し…

想像の共同体:国民の想像

基本的には『想像の共同体』*1の第三章「国民意識の起源」のメモです。 定義 まずアンダーソンは、国民と国民主義を、「自由主義」や「ファシズム」といったイデオロギーの1つとして扱うよりも、「親族」や「宗教」のような文化的人造物として扱うことを提案…

艦隊これくしょん:戦争のゆくえ

艦隊これくしょん:2つの戦争 - 自由帳 前回の記事では、吹雪の戦争とナレーションなどによって示される戦争のイメージが重なり合っていることを指摘した。3話では、神通を旗艦とする第三水雷戦隊が中心となってW島攻略任務につく*1。第三水雷戦隊は囮とな…

「近代化する視覚」

読書メモとして Jonathan Crary, 榑沼 範久訳 1999 「近代化する視覚」, Hal Foster 編『視覚論』, 平凡社 カメラ・オブスクーラにもとづく視覚のモデルは、歴史的に限定されたものであり、19世紀前半には、この視覚を可能にする観察者(Spectator)の概念が…

フーコーコレクション 目次一覧

メモ代わりにおいておきます。ちくまHPより引用 フーコーコレクションは筑摩書房からでている『ミシェル・フーコー 思考集成』から主要な著作を抜粋したもの。 1:狂気・理性 ビンスワンガー『夢と実存』への序論心理学の歴史 1850‐1950科学研究と心…

艦隊これくしょん:2つの戦争

大人たちの戦争 艦これアニメは榊原良子のナレーションによって始まる。 至誠に悖るなかりしか 言行に恥づるなかりしか 気力にかくるなかりしか 努力に憾みなかりしか 不精に亘るなかりしか 海の底から出現する謎の艦艇群。それらを人類は深海棲艦と呼称した…

四月は君の嘘:桜の樹の下では

四月は君の嘘の9話で気になった描写があったので、記事にしたい。 イマジナリーラインを超える桜 9話の前に、注目すべきは3話Aパートの公園のシーン。かをりが公園に入ると桜が散り始める。 その方向は画面左から公園入口方面に向かっている。始めは猫に向か…

インターステラー

高評価を受けているクリストファー・ノーランの『インターステラ-』を観に行った。 正直一回観ただけで映像作品について書くのはしんどいのだけど(余り記憶力が良くないので)、超おもしろくてパンフレットも買ってきてしまったくらいにはまったので、書き…

ランバートとバロテッリ

やっと2連勝。ファンとしてはどんな試合内容であろうと、3ポイントをかさね順位表の少しでも高い位置につくことが何よりも嬉しい。未だ問題が解決したとは言い難いものの、これまでと比べいくらか状況は好転したといって言いように思う。その1つとしてランバ…

記述と表現

本を読んでいたら引っかかることがあったので、それをテーマに少し考えてみようと思う。それは、記述と表現の違いである。気になったのはこの注記だ。 ここでは、あえて「記述」という言い方を避けている。「私は憶えている」という表現は何も記述していない…

アナリストとしてゲームのプロチームに参加した人の話

ここ2、3年ほどのオンラインゲーム界を牽引しているRiot社のLeague of Legends(以下LOL)では、非常に競技シーンが活発でありNA、EU、中国、韓国などの地域ではプロリーグが成立しているほど。プロチームはリーグで勝ちを重ね、世界大会で頂点を取るために…

ここ2週間ほどのLFCの試合を振り返ってみる

これからWBA戦ということで、下書きしておいたものの筆が進まなかった記事をアップしておく。これまでの試合の最終的な問題点を浮かび上がらせることを目標にしたが、ちょいと論点がぼやけてしまったのでどうしようかと思っていたのだが、ついさっき発表され…

『アルモニ』のまなざし

視線、まなざし 『アルモニ』では人の視線、まなざしが物語構造に非常に印象的に組み込まれている。それは、他人が私に向ける目であるが、ただ視界を意味する言葉ではない。まなざしは、まなざされるものにとって抑圧的なものだ。それはまなざされるものを規…

バロテッリとデータ

Liverpoolの今夏の目玉補強というと、Southamptonからの加入組のなかでも特にララーナ。そしてロジャーズがIOCのインタビューにて"I can categorically tell you Mario Balotelli will not be at Liverpool."と語ったバロテッリだろう。バロテッリは計9人の…

ExpGという指標

ExpGとは ExpGはExpected Goalsの略で、ゴールの期待値といってもいいかもしれない。xGと書かれることもある。 例えば、ある選手がある場面でシュートをうつ。その場面とはそれに特有で唯一のものだ。しかしこれまで用いられてきたCoversion Rate(=Goals/sho…

Hull Cityのパフォーマンス分析

Hull Cityで2009からパフォーマンス分析を行っているLaurence Stewartへのインタビュー。 メモ代わりの抜き出しなので注意。 元記事はこちら The Crucial Role Of Performance Analysis In Football | Footy Matters Hull Cityでのパフォーマンス分析 Hullで…