批評

甲鉄城のカバネリ

カバネリを見て思ったこと(感想です)。最終回において美馬がカバネリであったことが、金剛郭の破壊という行動に至った理由として示されていた。つまり、将軍によって戦場に置き去りにされ、おそらくそこでの戦いを通じてカバネリになった美馬は、屍のなか…

響け!ユーフォニアム 再オーディションについてのはなし

ツイッターで書いたことのメモです。あとでまとまった文章にします。 中世古先輩があのオーディションで「納得」できたのは、一つには麗奈と自分の実力が明らかになったことがあるけど、あれが「みんな」を前にしての演奏だったということがあると思う。 久…

ベイビーステップ——分析、実践、批判

放送してからすでに二ヶ月が経ったが、ベイビーステップ25話について。 この回は、最終回ということもあってか、他の回に比べて(特に素晴らしかった回と比較しても)力の入れようがハンパない。丸尾の、「追い詰められたらあたらしいことを試して突破口を開…

鈴木理策写真展『意識の流れ』

タイトルの「意識の流れ」は「見るという行為に身をゆだねると、とりとめのない記憶や様々な意識が浮かんできて、やがてひとつのうねりのような感情をもたらすことがある」という鈴木自身の経験に基づいてつけられました。鈴木のまなざしを追体験すること、…

アメリカンスナイパー

電気柵のような映画 この言葉は、劇中では戦争経験の比喩として使われた言葉であったが、この映画も、電気柵のような映画だったと言えよう。予告のあの緊張が二時間も続いた疲労から、悲劇的な結末のどこかで安心した自分を発見した。 主人公であるクリスは…

鑑賞力を鍛える見方

現代アートの本当の見方 「見ること」が武器になる (Next Creator Book) 作者: 山口晃,しりあがり寿,松本次郎,御幸朋寿,堀江秀史,竹久侑,村田真,土屋誠一,谷口幹也,宮津大輔,三ツ木紀英,山木朝彦,橋本誠,フィルムアート社 出版社/メーカー: フィルムアート社…

SHIROBAKO:なぜ衣装が鎧になったか

ゴスロリさんも井口と同様に、初めてキャラクターデザインを任された時、プロデューサーや監督からダメ出しをうけ続けるという辛い過去があった。 「追い込まれても、勝負をひっくり返されても、へこたれない方だと思っていましたが。」 … 「そのとき理解し…

艦隊これくしょん:戦争のゆくえ

艦隊これくしょん:2つの戦争 - 自由帳 前回の記事では、吹雪の戦争とナレーションなどによって示される戦争のイメージが重なり合っていることを指摘した。3話では、神通を旗艦とする第三水雷戦隊が中心となってW島攻略任務につく*1。第三水雷戦隊は囮とな…

艦隊これくしょん:2つの戦争

大人たちの戦争 艦これアニメは榊原良子のナレーションによって始まる。 至誠に悖るなかりしか 言行に恥づるなかりしか 気力にかくるなかりしか 努力に憾みなかりしか 不精に亘るなかりしか 海の底から出現する謎の艦艇群。それらを人類は深海棲艦と呼称した…

四月は君の嘘:桜の樹の下では

四月は君の嘘の9話で気になった描写があったので、記事にしたい。 イマジナリーラインを超える桜 9話の前に、注目すべきは3話Aパートの公園のシーン。かをりが公園に入ると桜が散り始める。 その方向は画面左から公園入口方面に向かっている。始めは猫に向か…

インターステラー

高評価を受けているクリストファー・ノーランの『インターステラ-』を観に行った。 正直一回観ただけで映像作品について書くのはしんどいのだけど(余り記憶力が良くないので)、超おもしろくてパンフレットも買ってきてしまったくらいにはまったので、書き…